中国の内モンゴル自治区からの留学生らで作る「モンゴル自由連盟党」日本代表部(ダシ・ドロノブ代表)のメンバーら約百五十人が五日、中国当局による同自治区での「人権抑圧」に抗議し東京で初めてデモ行進した。在日の中国「少数民族」によるデモは三月のチベット騒乱で本格化し今回はチベット、ウイグル人に続く動き。「中国当局」という共通課題を軸に相互連携を強める構えだ。
主催者側によると、この日のデモは、八月に迫った北京五輪を前に同自治区のモンゴル人らが置かれている劣悪な人権状況を日本の市民に訴えるのが目的だが、同じ民族の住む隣接のモンゴル・ウランバートルでは選挙の「不正」への抗議が多数の死傷者を出す惨事に発展し非常事態宣言が出されたばかり。
ダシ代表は騒乱について「中国の“植民地化”による経済格差拡大への不満が内・外モンゴル双方の社会でともに強まっている現れ」と指摘。デモが同様の問題を抱える他の少数民族の在外活動などに影響を与える可能性もある。
同党は中国の内モンゴルでの人権侵害や文化・自然破壊を阻止するため一昨年末結成。この日午後、メンバーらは港区の公園で決起集会を開いた後、「モンゴル人に自由を!」「中国当局による文化・自然破壊と人権弾圧下の北京五輪反対」とシュプレヒコールしながら都心を約一時間に渡りデモ行進した。 (外報部・佐々木理臣)