モンゴル自由連盟党

2012年10月12日掲載
南モンゴル通信



【イベント10月23日東京】
南モンゴル講演会「南モンゴルの現況」
講師フヘ氏 : 南モンゴル文化促進会

南モンゴルが中国の内モンゴル自治区となってからの63年、大量の中国人が入植し、草原を次々と農地や都市に変えられた結果、砂漠化が急速に進んでいます。
南モンゴル人が、遊牧生活の維持が困難になったばかりか、生活の糧を中国人に奪われる結果となりました。また、昨今話題のレアアース資源も、南モンゴルの資源でありながら、中国人に奪われています。
モンゴル草原で少数派となったモンゴル人は、様々な弾圧にも直面しています。南モンゴルの人から、南モンゴルの現況について聞きます。

日時平成24年 10月23日(火)19時〜
場所東京ボランティア・市民活動センターA会議室
〒162-0823 東京都新宿区神楽河岸1番地1号 セントラルプラザ10階
(JR飯田橋駅から徒歩2分 低層用エレベーターで10階までお上がり下さい。)
(地下鉄 有楽町線・東西線・南北線・大江戸線は、「B2b」出口よりセントラルプラザに直結)
受講料資料代 500円
講師フヘ氏
主催南モンゴル文化促進会



南モンゴル出身の楊海英氏は産経新聞5月21日夕刊に「尖閣諸島問題 モンゴルと同じ轍を踏むな」を寄稿し、警告しています。(以下は抜粋。抜粋は「モンゴル自由連盟党」Webサイト管理者による)

(*筆者紹介:南モンゴルから日本に帰化。著書の「墓標なき草原」は司馬遼太郎賞受賞)

(略)
 モンゴル人の私は、小さい時から草原に住んでいた。1960年代初頭の内モンゴル自治区は牧野が果てしなく広がり、ヒツジやウマが放たれた、のどかなところだった。十数キロ離れた場所に植民してきた中国人(漢民族)が、数家族住んでいた。彼らはいつもモンゴル人とまったく異なる行動を取っていたのが印象に残っている。
 たとえば、燃料である。モンゴル人は乾燥した牛糞を燃やす。冬になったら、わずかに枯れた灌木(かんぼく)類を拾うこともある。しかし、中国人たちは季節と関係なく、手当たり次第に灌木を切っていく。しかも、必ずといっていいほどモンゴル人の縄張り範囲内に入り込んで伐採する。
 そのような「小さな利益」を貪(むさぼ)る中国人たちをモンゴル人は寛容に放置していたが、ふと気がつけば、自分の草原内にところどころ砂漠ができていた。
 降雨量の少ない北・中央アジアでは、植被を失った草原はたちまち砂漠に化してしまうので、モンゴル人は大地に鋤(すき)や鍬(くわ)を入れる行為を忌み嫌う。そのため、モンゴル人は中国人を「草原に疱瘡(ほうそう)をもたらす植民者」と呼んできた。
(略)
 中国に一方的に採掘されているガス田の樫は、日中中間ライン上に位置する。「ストロー吸引」により、日本側の海底地下に眠る資源も当然、吸い上げられている。中国の少数民族の政治的変遷を研究している私からすれば、わざわざモンゴル人の草原内に侵入して灌木を切り倒す植民者たちの活動とその性質が共通している。
 善良な日本人は「ストロー吸引」を「小さな利益」だ、とかつての純朴なモンゴル人のように気前よく理解しているかもしれないが、「大人(たいじん)」の中国は今や尖閣諸島周辺を自国の「核心的な利益」だと位置づけている。
 「核心的な利益圏」は今までに主としてチベットや新疆ウイグル自治区、それに南シナ海について適応してきたが、放置されれば、尖閣諸島や沖縄周辺も住民の人口と政治力の逆転が生じる危険性がある。中国の少数民族の轍(てつ)を踏まないことを切に願っている。



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