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楊海英(ヤン ハイイン)に第14回、司馬遼太郎賞

2011年12月19日掲載

 

 

  

 

  

  

司馬遼太郎賞に楊海英さんの「墓標なき草原」. 第14回司馬遼太郎賞(司馬遼太郎記念財団主催)は8日、静岡大教授の楊海英(ようかいえい)さん(46)の「墓標なき草原」(岩波書店刊)に決まった。 内モンゴル自治区における文化大革命の実態を独自の聞き取り調査や史料で明 らかにした点が評価された。副賞100万円。

<贈賞理由>
 この作品の主題である反エスノセントリズムを、迫害された人間の叫びと歴史の 周到な取材に基づいて再現した日本語表現の迫真力を高く評価した。

<楊海英氏の略歴>
 1964(昭和39)年、内モンゴル自治区オルドス生まれ。モンゴル名オーノス・チョクト。 北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。89年3月来日。国立民族学博物館総合研究大学院大学博士課程修了。文学博士。1997年〜1998年 : 中京女子大学 / 人文学部 / 助教授 ,1999年〜2001年 : 静岡大学 / 人文学部 / 助教授 ,2003年〜2007年 : 静岡大学 / 人文学部 / 助教授 ,2007年〜2008年 : 静岡大学 / 人文学部 / 教授 , 2010年 : 静岡大学 / 人文学部 / 教授 ,静岡大学人文学部助教授を経て現職。
http://www.hss.shizuoka.ac.jp/research/staffs/soci/yang.html

選考委員はドナルド・キーン、柳田邦男、養老孟司、松本健一、関川夏央氏の5氏です。

静岡大人文学部教授。文学博士。日本人女性と結婚し、00年、日本国籍取得。66年からの文化大革命期、モンゴル族が受けた民族虐待を証言や史料で明らかにした。文革は漢民族によるジェノサイドでモンゴル族の死者は5万人と言われている。

内モンゴルは日本の大陸政策の結果として出現し対日協力が民族虐殺の口実の一つにされた。受賞作は”墓標なき草原(上、下)”岩波書店。

  

 

墓標なき草原
―― 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録 ―― ■構成 全2巻 -- 楊 海英
文革の凄惨な階級闘争は少数民族地域には及ばなかったとされるが,事実は決してそうではない.文革時期に五人に一人が「民族分裂主義者」とみなされ,公式発表でも3万人近くが殺害された内モンゴルで,何があったのか.体験者への綿密な聞き取り, 同時代資料,国内外の研究を渉猟して明らかにした,隠蔽されたままの過去.

司馬遼太郎賞(しばりょうたろうしょう)は財団法人・司馬遼太郎記念財団が主催する文芸、学芸、ジャーナリズムを対象とした賞。以降年一回発表されている。受賞は選考委員の合議によって決定される。受賞者には正賞として懐中時計、副賞として100万円が授与される。また、第9回より小説・評論を対象とした著作に授与される。

 
 

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