楊海英先生について

モンゴル自由連盟党は静岡大学教授・楊海英先生の著作・活動を支持します。
楊海英先生は南モンゴル出身、モンゴル名はオーノス・チョクト。日本帰化後の日本名は大野旭。モンゴル人数十万人が中国共産党政府により殺害された文化大革命期の研究で知られ、『墓標なき草原 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』は司馬遼太郎賞を受賞しました。

モンゴル自由連盟党Webサイトにサイバー攻撃

平成二十四年五月十日。この日は自由連盟党Webサイトでも紹介してきた、南モンゴルでの「メルゲン氏惨殺事件」からちょうど一年にあたる日であった。漢族の強引な開発業者から草原を守ろうとしていた、牧民であり環境保護活動家のメルゲン氏が無残にもトラックで轢き殺された事件だ。 南モンゴルでは石炭資源などを目的にして漢族の開発業者が多く入りこんでいる。その開発自体が南モンゴルから中国中心部への資源収奪であると同時に、石炭の採掘そのものが草原の破壊を引き起こしている。草原保護のための決められたルール(例えば、トラックで石炭を輸送するときは定められたところを走ることによって大々的な破壊が起こらないようにする)を守らない漢族業者によって草原が大いに破壊されている。メルゲン氏はこれを阻止しようとし、惨殺された。 その死に際し、犯人が「自分たちのトラックには保険が掛けてあり、臭いモンゴル牧民の命なんて四万元(約五十万円、「四十万元」説もあり)にしかならない」などといったことが南モンゴル人の怒りに拍車をかけた。そもそも、モンゴル人にとって草原というのは象徴的な意味でもきわめて重要なものである。モンゴル民族は概して穏やかなのんびりとした人が多いところがあるが、彼らにとって決してゆずれないものが草原とチンギス・ハーンだ。南モンゴル現地での抗議デモは中学生まで参加する大規模なものとなった。日本国内での抗議活動にも、中国政府からの監視がきびしく政治的活動に及び腰となりがちな南モンゴル人留学生がはじめて参加するといったケースが多く見られた。 五月十日はそのメルゲン氏惨殺事件からちょうど一年にあたる日で、モンゴル自由連盟党も中国大阪総領事館前での抗議活動を前日Webサイトでアナウンスしたところであった。サイバー攻撃は、その晩に始まったのである。 翌十一日朝、私は自由連盟党メンバーから相談を受けて党のWebサイトが閲覧できないことに気付いた。そして党が契約しているサーバ業者に代理で連絡をとり、サーバが昨晩から不調であるという説明を受けた。その際はただの不調というニュアンスであったが、夕刻には原因がサイバー攻撃であった旨の連絡を受けた。 このとき受けたサイバー攻撃は、いわゆるDDoS攻撃(Distributed Denial of Service …