2013年8月19日、内モンゴルで牧畜民バヤンバートル氏が中国鉄道局第23工事隊の漢人工員により残酷に打ち殺された事件が起こった。享年58。内モンゴル自治区オルドス市ウーシン旗トゥク・ソムのトホートイ・ガチャーでの事件である。 同氏は草原の土地を不法に占有されたため抗議したところ、悲劇に見舞われた。同氏のほか数人が重傷との情報もある。また、中国人がナイフなどを取り出し「ほかの奴も殺す」と威嚇した。当局の警察が来たものの、犯人を逮捕など何らの対応をしなかったとのことである。そして当局は残酷な殺人事件を直ちに解決するどころか、逆に被害者の遺族を含む現地住民数十名を不法に拘束している。 加害者側は、被害者の大切な命の対価をまたも金銭で解決しようとしている。事件が中国のQQ、Tencent Weibo、ウェブチャットおよび新浪微博などで大きく知られたことから、2011年にメルゲン氏・ジョリグト氏が殺されたときと同じように当局がお金で解決しようとしているようだ(50万人民元を渡すとしたという情報がある)。 近年各地でモンゴル人の家畜がトラックにひき殺される事件や土地の不法占有が頻発している。中国において、内モンゴルのモンゴル人の基本的権利および財産は保護されるどころか、重大な侵害および損害を被っている。2011年5月10日、メルゲン氏が中国人のトラックにひき殺された事件がきっかけとなり南モンゴルでは大規模な抗議デモ行進などが起きた。今回の事件も同じように、モンゴル人が政府に対する不満を爆発させる火種となるだろう。 …