楊海英先生について

モンゴル自由連盟党は静岡大学教授・楊海英先生の著作・活動を支持します。
楊海英先生は南モンゴル出身、モンゴル名はオーノス・チョクト。日本帰化後の日本名は大野旭。モンゴル人数十万人が中国共産党政府により殺害された文化大革命期の研究で知られ、『墓標なき草原 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』は司馬遼太郎賞を受賞しました。

またも南モンゴルで中国人による無残な殺人

今回の犯人。白いTシャツを着た男。

 2013年8月19日、内モンゴルで牧畜民バヤンバートル氏が中国鉄道局第23工事隊の漢人工員により残酷に打ち殺された事件が起こった。享年58。内モンゴル自治区オルドス市ウーシン旗トゥク・ソムのトホートイ・ガチャーでの事件である。
 同氏は草原の土地を不法に占有されたため抗議したところ、悲劇に見舞われた。同氏のほか数人が重傷との情報もある。また、中国人がナイフなどを取り出し「ほかの奴も殺す」と威嚇した。当局の警察が来たものの、犯人を逮捕など何らの対応をしなかったとのことである。そして当局は残酷な殺人事件を直ちに解決するどころか、逆に被害者の遺族を含む現地住民数十名を不法に拘束している。
 
 加害者側は、被害者の大切な命の対価をまたも金銭で解決しようとしている。事件が中国のQQ、Tencent Weibo、ウェブチャットおよび新浪微博などで大きく知られたことから、2011年にメルゲン氏・ジョリグト氏が殺されたときと同じように当局がお金で解決しようとしているようだ(50万人民元を渡すとしたという情報がある)。
 近年各地でモンゴル人の家畜がトラックにひき殺される事件や土地の不法占有が頻発している。中国において、内モンゴルのモンゴル人の基本的権利および財産は保護されるどころか、重大な侵害および損害を被っている。2011年5月10日、メルゲン氏が中国人のトラックにひき殺された事件がきっかけとなり南モンゴルでは大規模な抗議デモ行進などが起きた。今回の事件も同じように、モンゴル人が政府に対する不満を爆発させる火種となるだろう。
 
固有名詞対応表:
オルドス(ORDUS)   ウーシン(UUSHIN)   トゥク(TUG)   トホートイ(TOHUGATAI)   バヤンバートル(BAYANBAGATUR)氏   メルゲン(MERGEN)氏   ジョリグト(JORIGTU)氏
 

QQ、Tencent Weibo、ウェブチャットおよび新浪微博など流された「自分達の牧草地を守るため、中国鉄道局第23工事隊の漢人工員によって残酷に打ち殺されたバヤンバートル氏に黙祷」と書かれたポスター(横断幕)



事件直後、モンゴル人を威嚇する中国人

事件直後、モンゴル人を威嚇する中国人

普段モンゴル人の民衆に対し乱暴に振る舞う警察だが、殺人犯と穏やかに話し合っている。赤いTシャツの中国人もとてもリラックスしている。殺人が起きた直後の現場とは思えないほどだ。